suigai_kawa_mizukasa_ame
1:2020/07/08(水) 19:34:26.36
 岐阜県下呂市萩原町では7日夜から8日早朝にかけて大雨に見舞われ、同町中呂では飛騨川左岸が氾濫した。現場に近い同町花池の飛騨川では、同日午前7時すぎになっても国道41号沿いの土手に、土のにおいがする濁流が押し寄せ、激しく波打っていた。(吉光慶太、戸川祐馬、今村節)
 中呂区長の今井弘さん(66)によると同日午前4時ごろ、川の水が左岸を越え、飛騨川に沿った国道41号に流れ込んだ。周辺の住宅数軒が床上、床下浸水した。
 いずれも住民は氾濫前に近くの公民館に避難。今井さんは「午前6時ごろには水位が低くなり、氾濫が収まった。早く水が引いたので大きな被害にならなかった。今後、また雨が増えてくることも考えられるので心配」と話した。
 下呂市役所萩原振興事務所の松井克彦所長は、「本当に今まで経験したことない雨、見たことのない水量だった」と氾濫した飛騨川の様子を振り返った。
 萩原南中学校体育館には7日夜以降、地元住民らが避難し、一夜を過ごした。8日朝には雨は小康状態になり、帰宅する住民もいたが、道路が寸断されるなどして帰宅できない高齢者や小学生、幼稚園児ら50人が身を寄せている。
 同市小坂町門坂では朝、飛騨川沿いの国道41号が一部崩落し、山の斜面が崩れた。近くに住む主婦、中村京子さん(65)は、「山の斜面が崩れ始め、『メリメリッ』『ゴー』と、今まで聞いたことのない音がした。異臭がするという人もいた。怖かった」と話す。
 同市からの避難指示がスピーカーで放送されたのは午前2時半。まだ暗い中、90代の母親と近所の人と一緒に車に乗り込み、国道41号沿いにあるドライブインの駐車場まで逃げた。雨が降り続く中、川の石が「ゴロンゴロン」と転がる音が響き、恐怖が募った。
 夜が明けてくると、目の前にある山のふもと部分が大きくえぐれ、茶色の山肌があらわになっていた。自宅に戻ると、近くの国道41号が大きく崩れ、アスファルトの一部が盛り上がっているのが見えた。

東京新聞 2020年07月08日 14時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/41089

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